まずは、以下のような状況で会社を設立する場合に、法人として支払うべき税金の種類と支払い先についてご紹介します。
・本店所在地:東京都
・代表者在住地:新潟県
・スタッフ在住地:新潟県
税金の種類 |
支払先 |
法人税 |
東京都 管轄税務署 |
地方法人税 |
東京都 管轄税務署 |
法人住民税(法人都民税) |
都税事務所 |
法人事業税 |
都税事務所 |
消費税 |
東京都 管轄税務署 |
事業所税(一定規模以上の場合課税) |
都税事務所 |
印紙税 |
東京都 管轄税務署 |
社員から源泉徴収した所得税 |
納税地を管轄する所管税務署 |
社員から源泉徴収した住民税 |
各自治体(代表者・スタッフともに新潟県) |
上記のように、会社として支払うべき各種税金の納付先は「本店所在地のある東京都」です。
ただし、「社員から源泉徴収した所得税」と「社員から源泉徴収した住民税」についてはその社員の在住先に支払う必要があるため、これら2つの税金のみ地方(新潟県)に納めます。
会社が支払う各税金の概要と支払うタイミング
次に、先述した9種類の税金における概要と支払うタイミングについてまとめました。「何をいつ支払うのか」といった基本的な知識を押さえて、資金繰りを上手に進めていきましょう。
法人税
法人税は国税で、法人が得た利益に対して課せられる税金です。会社ごとに税額を計算したうえで、本店所在地を管轄する税務署に申告・納税します。なお、法人税率は一律23.2%ですが、資本金が1億円以下の中小企業で、かつ年間所得金額が800万円以下の場合は15%となります。
法人税を支払うタイミング |
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
地方法人税
地方法人税は、法人税と同様に法人が得た所得に対して課せられる税金で、本店所在地のある自治体に支払われます。ただし、国から各自治体に配分する地方交付税の財源であることから、事業者は地方法人税を一旦「国」に納税し、国から地方自治体へ分配される仕組みです。
地方法人税を支払うタイミング |
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
法人住民税(法人都民税)
法人住民税は、事業所を構えている地域に納める地方税です。「法人税割+均等割」の合算によって地域によって計算方法が変わるため、所得が同じでも所在す る地域によって納税額が決まる仕組みで、地域によって、さらには会社の規模に よって金額が異なります。
法人住民税を支払うタイミング |
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
法人事業税
法人事業税は、事業を運営するうえで利用する地方自治体のサービス(道路や消防、警察など)の経費を、各事業者が一部負担することを目的として設けられている税金です。「所得×法人事業税率」の計算で納付額が算出されますが、法人 所得が赤字の場合は支払いが免除されます。
法人事業税を支払うタイミング |
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
消費税
2年前の売上高が1,000万円を超えている場合は、消費者から預かった消費税を国に納税する義務が発生します。そのため、基本的には会社設立から2年間は納付する必要がありませんが、以下の条件を満たす場合は設立から2年以内でも納税しなければなりません。
・1年前の前半(半年間)の課税売上が1,000万円を超える
・1年前の前半(半年間)の給料支払額が1,000万円を超える
消費税を支払うタイミング |
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
事業所税
事業所税は、本店所在地の地域が人口30万人以上の場合に発生する税金です。都市環境の整備や改善にかかる費用を集めることを目的として徴収されるもので、地域や事業所の規模によって金額が異なります。
事業所税を支払うタイミング |
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
印紙税
印紙税は、契約書や領収書、約束手形など、お金のやり取りに伴う特定の文書を作成した人に対して課税される税金です。税額は文書でやり取りする金額によって変わりますが、基本的には「5万円未満」であれば印紙税はかかりません。
印紙税を支払うタイミング |
文書のやりとりをするタイミングで収入印紙を貼り、納税する |
社員から源泉徴収した所得税
社員が個人として税務署に支払う必要のある所得税については、会社が毎月の給料から差し引く形で源泉徴収を行い、社員の納税地を管轄する所管税務署に支払います。法人自体が支払う税金ではなく、あくまで「社員の代理」として支払う税金です。
社員から源泉徴収した所得税を支払うタイミング |
毎月従業員から源泉徴収し、翌月10日までに納付
※源泉所得税の納期の特例を受けている場合は、年2回・6ヶ月後ごとに納付 |
社員から源泉徴収した住民税
社員の住民税についても、所得税と同様に源泉徴収を行って社員の代わりに支払います。
社員から源泉徴収した住民税を支払うタイミング |
毎月従業員から源泉徴収し、翌月10日までに納付
※源泉所得税の納期の特例を受けている場合は、年2回・6ヶ月後ごとに納付 |