経済のグローバル化が進展する中、日本政府が「経営管理ビザ」の要件を緩和する取り組みを進めていることをご存知でしょうか。
要件が緩和されれば多様な国籍やバックグラウンドを持つ起業家が日本で事業を展開しやすくなることから、日本国内の経済活動が活性化し、新たなビジネスチャンスが生まれることが期待されています。
今回は、経営管理ビザの要件緩和に関する最新情報や、具体的な緩和内容について詳しくまとめました。また、要件緩和がもたらす影響にも触れながら、日本でビジネス拠点を設ける際にぜひおすすめしたい「バーチャルオフィス」の魅力についても併せてご紹介します。
経営管理ビザとは、日本で事業を経営・管理するために必要な在留資格の一種です。
主に外国人起業家や投資家が日本国内で新たに事業を立ち上げたり、既存の事業を管理したりすることを目的として取得されます。
かつては「投資・経営ビザ」の名称でしたが、2015年の入管法改正によって「経営管理ビザ」へと変更され、ビザの要件が一部緩和されました、主な変更点は以下の通りです。
投資経営ビザでは、外国人が日本での事業に対して実際に投資を行う必要がありました。しかし、経営管理ビザでは申請者が自身で投資を行わなくても日本法人の経営や管理に従事することが可能です。
投資・経営ビザは外国資本との結びつきを前提としていましたが、経営管理ビザにおいては国内資本企業での経営も可能となっています。
投資・経営ビザでは基本的に特定の在留期間が限定されていましたが、経営管理ビザでは5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月など複数の選択肢が設けられています。
前述のように、かつての投資・経営ビザと比較すると経営管理ビザは利用しやすくなったものの、外国籍の方にとってはまだまだハードルの高い種類のビザといえます。というのも、経営管理ビザを取得するためには以下の3つの要件を満たす必要があり、厳しい審査をクリアしなければなりません。
1. 500万円以上の出資、もしくは2名以上日本に居住する常勤職員を雇用すること
2. 独立した事業所が日本国内で確保されている
3. 事業の適正性・安定性・継続性を示せること
そんな中、政府は外国人が起業しやすい環境を整え、経済の活性化につなげることを目的として、経営管理ビザの取得要件を大幅に緩和する方針を打ち出しました。
具体的には「事業所や出資金がなくても、事業計画書等の内容などから最大2年間滞在できるようにする」というもので、2024年度中の実現を目指しています。
この要件緩和が実現されれば、外国籍の方が日本で起業する際のビザ取得がしやすくなることはもちろん、1年ごとに必要だった更新手続きも2年ごととなり、手続き負担が大幅に軽減されます。
ただし、外国籍の方の銀行口座開設時には日本国内の協力者が必要であるなど、ハードルの高い部分は未だ存在しています。そういった点に関する法改正が今後なされれば、外国籍の方の日本進出はますますしやすくなるでしょう。
日本での起業を検討している外国籍の方のなかには、日本でのビジネス拠点をどこに設けるかお悩みの場合もあるでしょう。
賃貸オフィスを借りるとなると手続きのハードルが高いほか、高額な費用がかかるため、「もっと手軽に利用できるオフィスはないか」とお探しの方もいるのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、ビジネス用の住所を安価で借りられる「バーチャルオフィス」です。主に以下のようなメリットがあり、コストを抑えて起業したい外国籍の方から人気を集めています。
バーチャルオフィスでは物理的なスペースではなく住所や電話番号といった基本情報のみをレンタルするため、一般的な賃貸オフィスを借りる場合に比べて初期費用やランニングコストを大幅に抑えることができます。たとえば月々の利用料だけ見ても、賃貸オフィスの場合は月額数十万円の家賃と光熱費を支払う必要がありますが、バーチャルオフィスなら月額数千円ほどです。
また、登録料も5,000円~10,000円程度とリーズナブルであることから、起業当初の資金繰りにおいて大きな助けになるでしょう。
バーチャルオフィスの住所は、銀座や青山、新宿といったネームバリューの高いエリアであることが多いです。
そのような有名住所に本店所在地があると、起業直後から「経営が安定している会社」といったポジティブな印象を与えやすくなり、ビジネス活動を円滑に進められる可能性があります。
運営会社によりますが、法人設立時にサポートしてもらえることもメリットのひとつです。
日本で会社を設立する際には複雑な手続きが多く発生するため、支援を得られればより安心かつスムーズに日本進出を目指せます。
日本で事業を経営・管理するためには「経営管理ビザ」の取得が必要ですが、取得要件が厳しく、外国籍の方にとってハードルが高い存在でした。
この状況を受け、政府は「事業所や出資金がなくても、事業計画書等で日本に最大2年間滞在できるようにする」といった方向を示し、2024年度中の実現を目指しています。
この緩和が実現すれば、外国人起業家が日本進出するチャンスが広がり、日本経済の活性化にもつながります。
また、日本のビジネス拠点を設ける際にバーチャルオフィスを活用すれば、コストを抑えた起業を実現でき、より手軽に日本でのビジネス活動をスタートできるでしょう。