バーチャルオフィスのなかには、オフィス用の住所レンタル以外に「郵送物の
管理」を行っているところもあります。
バーチャルオフィスを利用して会社を設立すると、会社宛ての郵送物はすべて
バーチャルオフィスに届くため、自宅に転送してもらえるようなサービスが設
けられていると大変便利です。
ただし、郵送物の管理に関する細かなルールは利用する運営会社によって異な
ります。
「バーチャルオフィスに届いた郵送物はどのように管理されるのか」「自宅に
転送する際に費用はかかるのか」といった点に注目しながら、希望条件に合う
運営会社を選ぶとよいでしょう。
そこで、今回は「バーチャルオフィスに到着した郵送物の管理方法」をテーマ
に、郵送物がお客様の手元に届くまでの流れや、郵送物管理サービスにおいて
注目したいポイントをまとめました。さらには番外編として、法人設立後に届
くことの多い郵送物の種類についてもご紹介します。
ぜひ参考にしながら、バーチャルオフィス選びの参考にしてみてください。
まずは、バーチャルオフィスを利用している方の手元に郵送物が届くまでの流
れを押さえておきましょう。基本的な流れは以下の通りです。
1. 取引先の方がバーチャルオフィス宛に郵送物を発送
↓
2. バーチャルオフィスに郵送物が到着
↓
3. バーチャルオフィスに到着した郵送物に対して、利用者が発送の指示など
を行う
↓
4. 利用者の手元に郵送物が到着
バーチャルオフィスに荷物が到着すると、一般的にはメール等で利用者に通知
が届きます。その後自宅に転送してもらう、あるいは指定の店舗に出向いて受
け取るケースが一般的ですが、細かなサービス内容は運営会社によってさまざ
まです。
いずれにしても、郵送物は「送り主→バーチャルオフィス→利用者」といった
流れで配送されるため、受け取りまでには多少の時間がかかることを認識して
おきましょう。
郵送物管理サービスは多くのバーチャルオフィスで利用可能ですが、なかには「自
宅への転送は行っておらず、店舗での引き取りのみ」「転送時にその都度発送費用
や手数料がかかる」など、手間や料金面において大きな負担を感じる場合もあるた
め注意が必要です。
ここでは、郵送物管理システムの利便性を見極めるポイントを6つご紹介します。
バーチャルオフィスの契約前にしっかりと確認し、ストレスフリーに利用できそう
な運営会社を選んでみてください。
まずは、郵送物が到着したことを確認する方法をチェックしておきましょう。バー
チャルオフィスに郵送物が到着した際に何も連絡がなければ確認が遅れ、取引先に
迷惑を掛けてしまう恐れがあります。
おすすめは、荷物が到着したらその都度メールやSNSなどで通知してくれる運営会
社を選ぶこと。自宅にいながら、バーチャルオフィスに届いた郵送物の状況をしっ
かりと把握できるため大変便利です。
バーチャルオフィスに到着した郵送物に対しての指示方法も、事前に確認しておく ことが大切です。運営会社によってはメールでのやり取りのみで指示するところも 存在しますが、「マイページ」などの管理画面で操作できれば履歴が残り、トラブ ル発生のリスクを軽減できます。
運営会社によっては自宅への転送サービスを行っておらず、契約しているバーチャ
ルオフィスでの引き取りのみに対応しているケースもみられます。その場合、バー
チャルオフィスに郵送物が届くたびに受け取りに行く手間がかかるため、できれば
転送サービスを実施している運営会社を選ぶことをおすすめします。
また、不要な郵送物を破棄してもらえるかどうか、急ぎの場合は速達などで転送し
てもらえるのかどうかも確認しておきましょう。さらに、転送回数に制限が設けら
れているかどうかもチェックしながら、なるべく柔軟に対応してもらえそうなとこ
ろを見つけてみてください。
郵送物の転送費用は、バーチャルオフィスの基本料金に含まれていて送料が発生し
ないところもあれば、「1ヶ月につき〇通まで無料」と定めているところもあります。
なかには「郵送物の転送にかかる費用はすべて利用者が負担」としている運営会社
もみられ、その場合は仮に月額料金が安くても毎月の転送費用が大きな負担になっ
てしまうケースが多いです。
転送費用を負担する必要があるかどうかを事前に確認し、毎月のバーチャルオフィ
ス利用料が明瞭な運営会社を選ぶとよいでしょう。
郵便物の受け取りや転送において「〇通まで」などと制限がある場合、指定の数を 超えると手数料が発生するケースが一般的です。郵送物の数が多ければ多いほど料 金がかさんでストレスに感じる可能性があるため、手数料の有無についてもしっか りとチェックしておきましょう。
不要な郵送物に対して廃棄を依頼できるバーチャルオフィスの場合、運営会社がど
のような方法で廃棄処分を行っているのかも把握しておきましょう。
大切な個人情報を含むため、そのまま可燃ごみで出すようなところはおすすめでは
ありません。きちんと溶解処理などを行うなど、個人情報の管理を徹底している運
営会社を選ぶことが大切です。
ここから先は、番外編として「法人設立後に届くことの多い郵送物TOP3」をご紹介
します。実際にどのような種類の郵送物が送られてくるのかを把握しておくと、急
ぎで引き取りに行かなければならないものが頻繁に届くのか、それとも自宅への転
送手続きを取ってゆっくりと対応すれば問題ないのかなど、法人設立後の状況をイ
メージしやすくなるでしょう。
カスタマープラスにご契約いただいている新規法人50社(任意抜粋)を1年間調査し
たところ、以下の結果となりました。
順位 | 種類 | 比率 | 到着のタイミング |
第1位 | DM | 58% | 設立1ヶ月以内に集中 |
第2位 | 金融関連(銀行・クレジットカード)の郵送物 | 16% | 設立2か月以内に集中 |
第3位 | 管轄の税務署や国税庁からの郵送物 | 9% | 年間で4回程度 |
第1位はダイレクトメールで、法人設立後に届く郵送物の約6割を占めます。
設立時に申請する登記先住所は公開情報となっており、国税庁の法人番号検索サイ
ト上で誰でも簡単に情報を得られることが主な要因です。送り主は税理士事務所が
多く、到着のタイミングとしては新規設立後1ヶ月以内に集中する傾向があります。
DMなので急いで引き取りや転送手配を行う必要はなく、破棄の依頼をされる方も多
くみられます。
第2位は、金融機関からの郵送物です。
法人設立時には必ず「法人口座開設手続き」を行うため、設立当初~2ヶ月間程度は
銀行から手続き関連の書類が送られてきます。また、会社用にクレジットカードを
契約する場合も同様に書面でのやり取りが発生し、どちらの場合も書類が届いたら
早急に対応することが必要です。
書類によっては返送が必要なケースもあるため、速達転送が可能なバーチャルオ
フィスのほうがスムーズに対応できるでしょう。
そして、第3位は管轄の税務署や国税庁からの郵送物です。
管轄の税務署からは、「新設法人説明会のお知らせ」や「年末調整等説明会資料及
び年末調整のしかた等」といった書類が送られてきます。また、東京国税局からは
「源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限のお知らせ」が必ず送付されます。
早急に対応すべき書類ではないものの大切な内容が多いため、1ヶ月以内には受け取
れるように転送手配を行うことをおすすめします。
バーチャルオフィスは会社の住所を低コストで借りられる便利なサービスですが、
到着した郵送物の管理方法は運営会社によって異なります。場合によっては転送
費用や手数料がかさんで毎月の利用料が高額になる可能性もあるため、サービス
内容を慎重に吟味して運営会社を選ぶことが大切です。
ぜひ利便性の高い郵送物管理サービスを提供しているバーチャルオフィスを選定
して、快適かつスムーズな事業運営を目指しましょう。