オフィスの住所や事業目的などに変更が生じた場合は、「変更登記申請」を行
う必要があります。
変更登記の際には複数の書類を準備する、法務局に出向いて手続きするといっ
た手間がかかるため、司法書士などの専門家に代行してもらうケースもみられ
ます。しかし、専門家に依頼する場合は費用が高額になりやすく、「自分で手
軽に手続きできる方法はある?」と気になっている方もいるのではないでしょ
うか。
そこで、今回はオンライン上で変更登記に必要な書類を準備できる「変更登記
申請支援サービス」に注目し、サービスの概要や利用するメリットについて解
説します。さらには、カスタマープラスが厳選した変更登記申請支援サービス
3社をご紹介しながら、それぞれの特徴や費用、おすすめポイントをまとめま
した。
「費用を抑えて変更登記申請を行いたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみ
てください。
まずは、変更登記申請支援サービスにおける基礎知識を押さえておきましょう。
変更登記申請支援サービスとは、変更登記に必要な書類(申請書類など)の作
成をオンライン上で行えるサービスです。パソコンやタブレット、スマート
フォンからサイトやアプリにアクセスして必要な情報を入力すれば自動的に書
類が作成され、作成した書類をダウンロードできます。
変更登記とは、登記簿に登録されている会社の情報に変更が生じた場合に行う
申請手続きのことです。
もしも登記事項の変更を行わずに放置してしまうと、登記の情報を信じた第三
者に不利益が及ぶ恐れがあります。そのため、常に最新の情報が登記簿に記載
されるよう、事業者は登記内容に変更が生じた際は必ず変更登記を行わなけれ
ばなりません。
変更登記を行う必要があるのは、主に以下のケースです。
・会社の住所を変更した場合
・代表取締役や取締役、監査役を変更した場合
・会社の事業目的を追加・削除した場合
・会社名を変更した場合
・有限会社から株式会社に変更した場合
・代表取締役の住所を変更した場合や、結婚などによって役員の名字が変わっ
た場合 など
変更登記を行う際には多くの書類を準備する必要があり、必要書類は変更する
登記内容によって異なります。また、変更登記申請時には費用(登録免許税)
がかかりますが、たとえば「役員変更」なら10,000円(資本金が1億円を超える
場合は30,000円)、本店の住所変更のうち管轄法務局が変更にならない場合は
30,000円(管轄法務局が変更になる場合は60,000円)というように、変更した
い登記内容によって登録免許税の金額が異なる点に注意しましょう。
なお、変更登記は「変更した日から2週間以内」に行わなければならず、もし
も期限を過ぎてしまうと代表者に100万円以下の罰金が科せられる恐れがあり
ます。期限内に正確な書類を準備して、変更登記をスムーズに完了させること
が大切です。
次に、変更登記支援サービスを利用して変更登記を行うメリットを3つご紹介します
変更登記を行う際には数多くの書類を作成する必要があり、すべてを自分ひとりで 行う場合は時間も手間もかかります。しかし、変更登記支援サービスを利用すれば オンライン上のシステムに従って必要事項を入力するだけで書類を作成でき、登記 についての知識がなくても効率的に準備することが可能です。
専門家に依頼して変更登記を代行してもらう方法もありますが、その場合は変更す る内容ごとに30,000~50,000円といった高額な費用がかかります。変更登記支援 サービスなら専門家に依頼する場合の半額以下で書類を作成でき、費用負担を大幅 に軽減できる点が大きな魅力です。
書類を不備なく準備できることも、変更登記支援サービスを利用するひとつのメ リットです。作成時に「漏れや不備がないかどうか」が自動的にチェックされて完 璧な状態で申請へと進めるため、一から自力で書類を取り寄せて作成するよりもス ムーズに変更登記できます。
ここからは、カスタマープラスが厳選した変更登記支援サービスを3社ご紹介します。
・変更登記ひとりでできるもん
・LegalScript
・GVA 法人登記
それぞれの特徴や費用を比較しながら、ご自身に合うサービスを見つけてみてくだ
さい。
「変更登記ひとりでできるもん」は、株式会社ユーモアプラスが運営する変更登記
支援サービスです。
まずは会員登録を行い、登記情報提供サービスから取得したPDF形式の登記情報を
アップロードします(登記情報を手入力することも可能)。そして登記申請する情
報を入力すると、変更登記申請に必要なファイルを作成・ダウンロードできるシス
テムです。
かかる費用は『システム利用料+実費』で、システム利用料は変更する登記内容に
よって異なります。
・充実のサポート体制(操作方法がわからない場合は、専用コールセンターまたは
メールでサポートしてもらえる)
・株式会社なら14種類、合同会社なら10種類の変更登記に対応
・安価な費用で変更登記ができる
変更登記の種類 | システム利用料 |
本店移転(同管轄) | 5,500円 |
本店移転(管轄外) | 7,700円 |
商号変更 | 5,500円 |
目的変更 | 5,500円 |
役員変更 | 7,700円 |
役員の住所変更 | 3,300円 |
取締役会の設置・廃止 | 5,500円 |
監査役の設置・廃止 | 3,300円 |
増資 | 11,000円 |
発行株式総数 | 3,300円 |
株式譲渡の承認方法 | 3,300円 |
支店設置 | 3,300円 |
支店移転 | 7,700円 |
支店廃止 | 5,500円 |
定款の再作成(※) | 7,700円 |
※定款の再作成は、「役員の住所変更」以外はすべて無料で利用可能です。
「変更登記ひとりでできるもん」は対応可能な変更登記の種類が多く、料金も安価 な設定になっている点が魅力的です。また、株式会社だけでなく合同会社の変更登 記にも対応しており、幅広い事業者にとって利用しやすいサービスと言えます。
「LegalScript」は、株式会社リーガルスクリプトが運営する変更登記支援サービスで
す。
まずは会員登録後、現在の会社情報と登記申請したい情報を入力すると、変更登記
に必要なファイルを作成・ダウンロードできます。
かかる費用は『システム利用料+実費』で、システム利用料は変更する登記内容に
よって異なります。
・株式会社なら6種類、合同会社なら1種類(移転登記のみ)の変更登記に対応
・書類発行後、90日間は編集可能
・移転登記する際、代表取締役の住所移転オプションが無料
変更登記の種類 | システム利用料 |
本店移転(同管轄) | 7,700円 |
本店移転(管轄外) | 9,900円 |
商号変更 | 10,780円 |
目的変更 | 10,780円 |
役員変更 | 10,780円 |
役員の住所変更 | 3,300円 |
定款の再作成 | 10,780円 |
「LegalScript」は対応可能な変更登記の種類が少ないですが、希望する変更登記が マッチすれば費用を抑えて準備できます。移転登記を行う際に、代表取締役の住所 移転を無料で行える点がうれしい魅力です。
「GVA 法人登記」は、GVA TECH株式会社が運営する変更登記支援サービスです。
会員登録を行うと、PDF形式の登記簿を無料で取得してアップロードできます。そ
の後登記申請する情報を入力すると申請に必要な書類を作成・ダウンロードするこ
とが可能で、郵送申請をサポートするパックプランも用意されています。
かかる費用は『システム利用料+実費』で、システム利用料は変更する登記内容に
よって異なります。
・9種類の変更登記に対応
・株式会社のみに対応
・30日間返金保証あり
・かんたん郵送パック(5,478円)を利用すると、郵送申請用封筒もセットで取得可能
変更登記の種類 | システム利用料 |
本店移転(同管轄) | 11,000円 |
本店移転(管轄外) | 11,000円 |
商号変更 | 11,000円 |
目的変更 | 11,000円 |
役員変更 | 11,000円 |
役員の住所変更 | 5,500円 |
増資 | 11,000円 |
株式分割 | 11,000円 |
余剰金等の資本組み入れ | 11,000円 |
ストックオプション | 33,000円 |
※定款の再作成はサービスに含まれていません。
「GVA 法人登記」には、法務局への郵送申請をサポートしてくれる便利なサービス があります。また、独自機能によって書類作成をスピーディーに進められることも うれしいポイントです。
変更登記申請支援サービスを利用すると、「一から自力で行うよりも正確かつス
ムーズに申請できる」「専門家に依頼するよりも費用を抑えられる」といったメ
リットがあります。ただし、運営会社によって対応可能な変更登記や料金、使い
やすさ、オプションサービスの有無などが異なるため、じっくりと比較検討しな
がらご自身に合うサービスを選ぶことが大切です。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしながら変更登記申請支援サービスを利用して、
必要な申請を効率的に進めていきましょう。