自宅での開業をお考えの方におすすめしたい、オフィス用の住所をレンタルできる
「バーチャルオフィス」。
実は近年話題の「メタバースオフィス」もバーチャルオフィスの一種で
あり、双方のサービスを併用することによって快適かつスムーズな事業運営を目指
せます。
そこで、今回はメタバースオフィスの意味やメリット、人気サービス3選をご紹介す
るとともに、住所貸しのバーチャルオフィスとの違いや併用する魅力についてまと
めました。
「自宅を拠点にしてコストを抑えつつ、オフィス同様の環境づくりを目指したい」
とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
メタバースとは、「meta(超)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語
です。一般的にはインターネット上に構築された仮想空間やサービスのことで、
その技術を活用した仮想空間上のオフィスのことを「メタバースオフィス」と
呼びます。
メタバースオフィスを利用すると、スタッフ同士が仮想空間のなかでコミュニ
ケーションをとることが可能です。Webカメラを用いるタイプのほか、アバ
ターを活用したタイプもあり、まるで同一のオフィスにいるような一体感を感
じながら業務を行うことができます。
メタバースオフィスを導入すると、主に以下のようなメリットを得られます。
まず注目したいメリットが、「生産性の向上」です。
従来のテレワークの場合はチャットツールを利用してコミュニケーションをとる
ケースが多くみられますが、相手の状況が見えにくいため話しかけづらい傾向が
あります。しかし、メタバースオフィスでは「いま話しかけても良い状態か」を
画面上で瞬時に確認できることから、チャットツールよりも気軽に話しかけるこ
とが可能です。
そうした円滑なコミュニケーションによって業務効率が上がり、生産性の向上を
期待できるでしょう。
「スタッフの勤務状況を容易に確認できること」も、メタバースオフィスを利用
する大きなメリットです。
従来のテレワークでは「誰が出社しているか」をひと目でチェックすることは難
しいため、業務のしづらさを感じている方が多くみられます。一方で、メタバー
スオフィスではスタッフのログイン情報やアバターなどから在席確認がしやすく、
さらには「ステータス表示」によって各スタッフの作業内容といった状況も
チェックすることが可能です。
勤務や作業状況の可視化によって、スタッフマネジメントがぐんとしやすくなる
でしょう。
テレワークの場合は基本的に自分ひとりで業務を行うため、コミュニケーション
不足によって孤独感にさいなまれる方も少なくありません。不安や寂しさから、
「モチベーションが上がらない」と悩むケースもみられます。
その点、メタバースオフィスを利用すれば実際にオフィスにいるような感覚で業
務ができるため、孤独感の解消につながるでしょう。
ここでは、近年注目を集めているメタバースオフィスを3つご紹介します。
・oVice(オヴィス)
・Teamflow(チームフロー)
・Sococo(ソココ)
ぜひそれぞれの特徴をチェックして、サービス選びにお役立てください。
oVice(オヴィス)は、自分のアバターを動かして画面上のバーチャル空間を自由
に動き回れるスタイルのメタバースオフィスです。オフィスとしてはもちろん、
オンラインスクールやオンラインイベント、オンライン飲み会など、多彩なシー
ンで活用されています。
オフィススペースにおいてはメンバーデスクや相談スペース、ミーティングス
ペースなどが真上からの視点で表現されており、アバターによって「スタッフが
いま何をしているのか」をひと目で把握できる仕組みです。自分のアバターを自
由に動かせるため、相手に近づいて「ちょっといい?」と声をかけたり、少し離
れたところから会話を聞いて自分も会話に参加したりと、実際にオフィスにいる
ような感覚でコミュニケーションを図れます。
・話をしたいアバターに1クリックで近づき、すぐに会話が可能
・同一空間で複数人での会話もできる
・自分のアイコンから近い人の声は大きく、遠い人の声は小さく聞こえるため、実際のオフィスにいる感覚で業務を行える
・空間のデザイン性が高く、自分仕様にカスタマイズできる
無料トライアルの有無 | あり |
料金 | 月額5,500円~ |
Teamflow(チームフロー)は、対面コミュニケーションと同じような雰囲気で
バーチャル空間でのコミュニケーションを図れるメタバースオフィスです。画
面共有や複数の資料表示、ホワイトボード機能なども備わっているため、複数
のスタッフと一緒に作業を行うこともできます。
アバターを用いるのではなく、常時カメラをつなぐ形でコミュニケーションを
図れるタイプであることも大きな特徴です。相手の表情がわかりやすいため、
よりリアルな雰囲気で会話できるでしょう。
・画面共有や複数の資料表示、ホワイトボード機能があるなど機能性が高い
・オリジナルの家具をアップロードでき、オフィスのカスタマイズが可能
・メモを共有する専用スペースも完備
・無料のFreeプランでも最大ユーザー数は10人まで、ミーティング時間は最⾧45分まで利用できる
無料トライアルの有無 | なし(無料のFreeプランあり) |
料金 | 0円~ |
Sococo(ソココ)は、自分のアイコンを動かして画面上のバーチャル空間を自
由に移動できるタイプのメタバースオフィスです。シンプルなアイコンを採用
しているため親しみやすく、ほかのアバター利用のメタバースオフィスに比べ
るとメモリ使用量が少ないといったメリットがあります。
ZoomやMeetなどと連携でき、ビデオ会議や資料共有をスムーズに行える点も
うれしい魅力です。なお、200種類以上の豊富なオフィスレイアウトが用意さ
れているため、面倒な設定やカスタマイズが不要ですぐに利用を開始したい方
にも向いています。
・ノックをしたり、相手を呼んだりといった細かいモーションが可能
・ZoomやMeetなどと連携でき、専用URLは不要。部屋に入るだけでビデオ会議や資料共有を行える
・「バーチャル自社ビル」を作成し、リアルなオフィスと同様に複数のフロアを用意することもできる
無料トライアルの有無 | あり |
料金 | 月額2,750円~ |
メタバースオフィスは「バーチャルオフィス」と呼ばれることもあるため、サー ビス内容を混同して認識している方もいるかもしれません。どのような違いがあ るのか、主な相違点を以下で確認しておきましょう。
バーチャルオフィス | メタバースオフィス | |
リアル住所(登記先等)の利用 | 〇 | × |
打ち合わせ | 〇 | 〇 |
円滑なコミュニケーション | △ | 〇 |
上記のように、バーチャルオフィスの場合は事務所用にリアルな住所をレンタル
でき、運営会社によってはリアルな会議室で打ち合わせを行うことも可能です。
一方、メタバースオフィスでは住所レンタルは利用できないケースが多く、あく
まで「画面上のバーチャル空間にて、実際のオフィスにいるような感覚で仕事を
行える」といった点が特徴的なツールです。
それぞれに異なる魅力があるため、併用することで実際にオフィスを構えて事業
を行う場合と遜色ない事業運営を目指せるでしょう。
メタバースオフィスは、離れた場所にいるスタッフ同士が円滑にコミュニケー
ションをとれる大変便利なサービスです。生産性の向上も期待できるため、頻繁
な情報共有が必要な事業の場合や、社内のチームでプロジェクトを進める際など
に活用するとよいでしょう。
一方で、バーチャルオフィスの場合は登記先・名刺の住所や会議室などをレンタ
ルできるため、「なるべくコストを抑えて自宅で開業したい」という場合におす
すめです。
ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしながら「メタバースオフィス」や「バーチャ
ルオフィス」を導入して、ご自身に合ったオフィス環境づくりを目指してみてく
ださい。