会社設立にあたって「できるだけコストカットしたい」「スムーズに手続きしたい」とお考えの方は、各種のオフィスサービスやクラウドサービスを利用するとよいでしょう。たとえばオフィスの住所をレンタルできる「バーチャルオフィス」や、設立時に必要な書類を手軽に作成できる「会社設立支援サービス」などが大変便利です。
ここでは会社設立に役立つサービスを5つご紹介するとともに、数あるバーチャルオフィスのなかからご自身に合うサービスを選ぶポイントも詳しく解説します。
ぜひ参考にしながら、効率的な起業準備と円滑な業務遂行を目指しましょう。
会社設立時のコストや設立準備の手間を軽減したい方、日々の業務を効率的に行いたい方には、下記のようなオフィスサービスやクラウドサービスがおすすめです。
1)バーチャルオフィス
2)会社設立支援サービス
3)クラウド会計サービス
4)クラウド帳票類作成・管理サービス
5)ホームページ作成ツール
それぞれの特徴や活用方法について、以下で詳しく見ていきましょう。
自宅を拠点に事業活動を行うなどで「物理的なオフィススペースが不要」の場合は、バーチャルオフィスを利用することをおすすめします。
バーチャルオフィスとは住所やFAX番号、会議室といった特定のオフィス機能をレンタルできるサービスで、価格相場は登録料が5,000円~10,000円、利用料が月に数千円程度。オフィス用の賃貸物件を借りる場合に比べると、圧倒的に少ない費用で事業活動の土台を設けられます。
なかには「バーチャルオフィスの住所でも法人登記を行える?」と疑問や不安を感じる方もいるかもしれませんが、本店所在地として申請する住所については特に制限はありません。実際にバーチャルオフィスの住所を使用して登記を行っている事業者は多数存在するため、安心して活用するとよいでしょう。
バーチャルオフィスの費用相場 | 登録料:5,000円~10,000円程度 月額利用料:数千円程度 |
会社設立支援サービスとは、定款や各種申請書といった法人登記時に必要な書類の作成をインターネット上で手軽に行えるクラウドサービスのことです。パソコンやスマートフォンといったデバイスからサイトやアプリにアクセスし、各項目に必要事項を入力すると自動的に書類が作成されるサービスで、具体的には「会社設立ひとりでできるもん」や「Freee会社設立」、「マネーフォワード クラウド会社設立」などがあります。
開業に向けた書類の作成は行政書士や司法書士といった専門家に依頼することも可能ですが、その場合は数万円ほどの手数料がかかります。しかし、会社設立支援サービスなら9,000円~11,000円程度の費用負担で書類を準備でき、大幅なコストカットが可能です。
会社設立支援サービスの費用相場 | 9,000円~11,000円程度 |
経理業務の効率化を図りたい方には、クラウド会計サービスがおすすめです。経費・売上の管理や会計書類・帳簿の作成、確定申告書の自動作成、経営分析などの機能を備えたクラウド型の業務ソフトウェアで、「Freee会計」や「マネーフォワード クラウド会計」などのサービスがあります。
ソフトをインストールしておけば日々の経理業務を手軽に行えるため、ぜひ導入するとよいでしょう。作成したデータはオンライン上で管理することから、社内だけでなく税理士ともデータを共有しやすいこともうれしい魅力です。
クラウド会計サービスの費用相場 | 980円~3,500円/月 |
クラウド帳票類作成・管理サービスも、日々の業務をよりスムーズに行うためにおすすめしたいサービスです。見積書や納品書、請求書類をオンライン上で作成・管理・送信できるツールで、「Misoca」や「INVOY」などがあります。
クラウド帳票類作成・管理サービスを活用することで社内のペーパーレス化を図れるほか、過去に作成した書類を検索しやすいこともおすすめポイントです。
クラウド帳票類作成・管理サービスの費用相場 | 無料~50,000円/月 |
「HTMLやCSSの知識がなく、自分でホームページを作成するのは不安」「業者に依頼して高額な費用がかかるのはちょっと…」などとお考えの場合は、ホームページ作成ツールを利用するとよいでしょう。直感的な操作で手軽にホームページを作成できるツールで、「ジンドゥー」や「ペライチ」、「Wix」などがあります。
具体的な利用方法はそれぞれのツールによって異なりますが、一般的には提供されているテンプレートから選ぶ形で作成を進めます。複雑なデザインや個性的なスタイルを希望せず、「シンプルな仕様で十分」とお考えの場合は、ぜひチェックしてみてください。
ホームページ作成ツールの費用相場 | 0円~/月 |
先述のように、自宅で業務を行うなどで物理的なオフィススペースが不要の場合には、必要最低限のオフィス機能をレンタルできる「バーチャルオフィス」を利用することをおすすめします。
バーチャルオフィスを選ぶ際は「月額利用料」と「サービス内容」を軸に検討する方が多いですが、下記のポイントもあわせてチェックすることでご自身に合うサービスを見極めやすくなるでしょう。
・運営会社が倒産するリスク
・拠点の閉鎖リスク
・オプション料金について
・会社設立支援サービスの有無
・会議室レンタルの可否
具体的にどのような点に注目したらいいのか、以下で詳しく解説します。
バーチャルオフィスを選ぶ際には運営会社の創業年数や実績、口コミなどに注目し、「経営が安定しているかどうか」をしっかりと確認することをおすすめします。特に月額利用料が安価なところは利益率が低いことから、倒産リスクが高いといわれているため注意が必要です。
もしバーチャルオフィスの運営会社が倒産した場合は、本店所在地を移転しなければなりません。移転時には登記手続きの手間や費用がかかるため、初めに選定する段階から「安定性の高い会社かどうか」をチェックすることが大切です。
バーチャルオフィスの拠点における閉鎖リスクも事前にチェックし、なるべく閉鎖リスクの少ない運営会社を選ぶとよいでしょう。
バーチャルオフィスには、大きく分けて運営会社直営の「自社所有運営タイプ」と運営会社がレンタルしている物件を用いて運営されている「賃貸借契約タイプ」の2種類があります。このうち「賃貸借契約タイプ」はオーナーの都合やエリアの再開発といった理由でビルが閉鎖となる危険性があるため、そういったリスクを回避したい方には「自社所有運営タイプ」がおすすめです。
バーチャルオフィスの選定時には、登録料や月額利用料だけでなく「オプション料金」もチェックしておきましょう。特に月額利用料がリーズナブルな場合には利用できるサービスが限定されていることも多く、オプションの利用によって結果的に料金が高くつく恐れもあるためです。
まずはご自身が希望するサービス内容を明確にし、そのサービスを月額利用料の範囲内で受けられるのか、受けられない場合はどのくらいのオプション料金が発生するのかを事前にしっかりと確認することをおすすめします。
バーチャルオフィスの運営会社によっては「会社設立支援サービス」を行っているところも存在するため、ぜひチェックしてみるとよいでしょう。サポートの利用時にはオプション料金が発生するケースが多いですが、専門家へ依頼する場合よりも少ない費用負担で設立準備を進められる点が大きなメリットです。
会議室などの物理的なスペースをレンタルできるかどうかも、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。特に自宅で事業活動を行う場合は「クライアントとの打ち合わせスペースがない…」と困ることが多いため、ミーティングに適したスペースを借りられるサービスがあると大変便利です。
コストを抑えて会社を設立したい場合は、「バーチャルオフィス」や「会社設立支援サービス」、「ホームページ作成ツール」などを利用して設立準備や事業活動の基盤を整えるとよいでしょう。また、日々の業務を円滑&効率的に行いたい方には「クラウド会計サービス」や「クラウド帳票類作成・管理サービス」がおすすめです。
ぜひ今回ご紹介したオフィスサービスやクラウドサービスを活用しながら会社設立準備を行い、業務効率化を目指してみてください。