COLUMN コラム(お役立ち情報)

「社労士」の役割とは? 業務内容や依頼するメリットを解説

従業員の社会保険手続きや給与計算、就業規則の作成等に不安を感じている方は、 「社労士」への依頼を検討されてはいかがでしょうか。

人事・労務関連業務のスペシャリストである社労士からサポートを受けることで、企 業経営に専念できる・労務トラブルを防止できるなどのさまざまなメリットを得られ ます。

そこで、今回は「社労士」をテーマに、業務内容や依頼するメリットを詳しくまとめ ました。さらには会社設立への準備を進めている方に向けて、法人登記時に申請する 本店所在地を手軽に設けられる「バーチャルオフィス」についてもあわせてご紹介し ます。

人事・労務関連業務への対応についてお悩みの方、社内業務の効率化を図りたい方は、 ぜひ参考にしてみてください。

「社労士(社会保険労務士)」とは

社労士(社会保険労務士)は、企業の人事・労務関連業務をサポートする専門家 です。企業の発展はもちろん、企業の経営を支える「人」の福祉向上に尽力する 役割を担っています。

社労士の独占業務について

社労士業務は「社会保険労務士法第2条」に定められており、大きく3種類に分類さ れます。

1号業務 ・労働保険の書類の作成
・提出代行、健康保険や雇用保険などへの加入
・脱退手続き、給付手続きや助成金の申請 など
2号業務 ・労働社会保険諸法令に従う帳簿書類の作成
・労働者名簿や賃金台帳の作成請負
・就業規則や各種労使協定の作成 など
3号業務 企業の労務管理や社会保険に関する事項についての相談、指導、アドバイスなど

参考:社会保険労務士法第二条
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=343AC1000000089#8

上記のうち1号業務と2号業務は社労士の独占業務とされており、労働保険・社会 保険に関する書類の作成や申請代行、労働保険関連の帳簿作成などは社労士のみ が対応できます。

もしこれらの独占業務を社労士以外が行った場合は「1年以下の懲役または100万 円以下の罰金」が科せられる可能性があるため、自社内で行うことが難しい場合 は社労士への依頼が必須です。

なお、3号業務の労務コンサルティングは社労士の独占業務ではありませんが、労 務に精通している社労士に依頼することで法令に基づいた適切なアドバイスを受 けられるメリットがあります。

社労士に依頼できる6つの業務

続いては、社労士の具体的な業務内容について知識を深めていきましょう。 社労士には、主に下記の6つの業務を依頼できます。

・労働保険・社会保険に関する書類作成や申請
・社内規定の作成・変更・届出
・労務コンサルティング
・補助金・助成金のアドバイスや申請
・給与計算
・労働関係紛争を解決する代理業務(特定社会保険労務士の場合)


それぞれについて、以下で詳しく解説します。

・労働保険・社会保険に関する書類作成や申請

従業員を雇用する場合は労働保険や社会保険への加入手続きが必要であり、それ らの書類作成や申請代行を社労士に依頼できます。

社労士へ外注すれば煩雑な手続きを社内で行う手間を省けることはもちろん、よ りスムーズに雇用準備を進めることが可能です。

・就業規則や社内規定の作成・変更・届出

従業員が10名以上になる場合は就業規則の作成・届出が必要であるほか、健全な 運営のためには給与や休暇等に関する社内規定もしっかりと整備しなければなり ません。

社労士に業務委託することで適切な就業規則や社内規定を作成でき、円滑な経営 を目指せます。

・労務管理コンサルティング

社労士には、従業員の労働条件や職場環境が適切であるように管理する「労務管 理コンサルティング」も依頼できます。

専門家の立場から課題を指摘してもらい、解決策のアドバイスを受けることで、 社内の秩序維持や業務効率向上を図ることが可能です。

・補助金・助成金のアドバイスや申請

補助金・助成金は数や種類が多く、「どの制度を活用できるのかわからない」と お困りの経営者も多いでしょう。

社労士へ業務委託を行えば、自社が利用可能な補助金・助成金についてプロの視 点から提案してもらえるため、支援制度を上手に活用しながら賢く事業運営を行 えます。

・給与計算

社労士には、給与計算関連の業務を依頼することも可能です。

単純な計算業務だけでなく社会保険の定時決定や随時改定、賞与支払届の作成・ 申請等もあわせて任せられ、給与関連手続きの手間を大幅に軽減できます。

・労働関係紛争を解決する代理業務(特定社会保険労務士の場合)

特定社会保険労務士であれば、社内で労働関係のトラブルが発生した際に紛争解 決を依頼することもできます。

当事者の話を聞きながら事実確認を行い、「あっせん」の手続きによって迅速な 解決へと導いてくれます。

社労士に業務委託するメリット

続いては、社労士に業務を依頼する主なメリットに注目してみましょう。

・企業経営に専念できる

社労士に人事・労務業務を委託し、各種申請や給与計算といった事務手続きを依 頼できれば、経営者は本業である企業経営に集中できます。

特に中小企業の場合はそれらの業務を社内のみで完結することは大きな負担にな るため、社労士への外注がおすすめです。

・労務トラブルを未然に回避できる

社労士に労務管理コンサルティングを依頼することで、労務トラブルを未然に防 げる可能性が高い点も大きなメリットです。

仮に問題が生じたとしても、社労士が間に入ってくれることによって穏便かつス ムーズな解決を目指せます。

・労働法や補助金・助成金に関する最新情報を得られる

社労士と顧問契約を結んでいると、労働法や補助金・助成金に関する最新情報を 得やすくなります。

法改正に基づいた適切な手続き対応を行えるほか、自社が活用すべき補助金・助 成金をその都度紹介してもらえて非常に便利です。

法人設立時には「バーチャルオフィス」を利用すると便利!

社労士への業務委託について検討している方のなかには、まさに今法人設立に向 けて準備しているケースもあるでしょう。

法人設立時には本店所在地を申請する必要がありますが、物理的なスペースが不 要の場合、あるいはなるべく少ない費用負担で事業用拠点を設けたい場合は 「バーチャルオフィス」の利用が便利です。

バーチャルオフィスは物理的なスペースではなく事業用の住所等を借りられる サービスです。法人登記時に利用すると下記のようなメリットを得られます。

・費用を抑えて事業用拠点を設けられる
・法人登記に適した住所を利用できる
・自宅の住所で登記申請するよりも安全性が高い
・ミーティングスペースを利用できる場合もある
・法人設立時の手続きをサポートしてもらえる場合もある


それぞれの魅力について、以下で詳しく見ていきましょう。

・費用を抑えて事業用拠点を設けられる

オフィス物件を賃貸して事業用拠点を設ける場合は、一般的に家賃1年分程度の初 期費用がかかるといわれています。また、家賃自体も数万円~数十万円程度かか り、事業が軌道に乗るまでは非常に大きな負担になることを覚悟しておかなけれ ばなりません。

一方、バーチャルオフィスを利用すれば、5,000円~10,000円程度の登録料と数千 円程度の月額料にてリーズナブルに事業用拠点を設けられます。拠点への予算を ほかの費用に回すことができれば、その分ゆとりを持って経営を進められるで しょう。

・法人登記に適した住所を利用できる

バーチャルオフィスは仮想のオフィスではあるものの、法人登記時に問題なく使 用できます。一般的な住所のなかには登記申請できないケースも存在しますが、 バーチャルオフィスであれば不安なく円滑に申請手続きを進めることが可能です。

特に自宅の住所においては「事業用としての住所使用は不可」といった規約が定 められているケースが多く、その場合は自宅の住所で登記申請を行うことはでき ません。もし登記できないにもかかわらず使用した場合は物件オーナーや管理会 社とトラブルになる可能性もあるため、自宅を拠点に起業する場合はバーチャル オフィスの住所で登記申請を行うことをおすすめします。

・自宅の住所で登記申請するよりも安全性が高い

自宅の契約内容によっては住所を法人登記時に使用できる場合もありますが、安 全性において不安が残ります。登記申請した住所は国税庁の法人番号公表サイト 等で誰でも閲覧可能な状態となるため、自宅住所が掲載されるとブライバシーが 脅かされたり、住所の不正利用によってトラブルに巻き込まれたりする恐れがあ るためです。

バーチャルオフィスの住所で法人登記を行えば、そういったリスクに不安を感じ ることなく安心して事業運営に臨めます。

・ミーティングスペースを利用できる場合もある

住所だけでなくスペースのレンタルも行っているバーチャルオフィスを利用すれ ば、クライアントとの会議等に活用できて大変便利です。スペースの利用可否に ついては運営会社によって異なるため、利用したい場合は事前にしっかりと確認 したうえで契約しましょう。

・法人設立時の手続きをサポートしてもらえる場合もある

バーチャルオフィスの運営会社によっては、法人設立に関連する各種申請のサ ポートを行っているところも存在します。法人設立時には煩雑な手続きが多く発 生するため、そういったサポートサービスをあわせて利用できると非常に心強い です。

まとめ

社労士は企業の人事・労務関連業務をサポートする専門家であり、顧問契約を締 結すれば労働保険・社会保険に関する手続き代行や各種規則の作成、労務管理コ ンサルティングといった多彩な業務を依頼できます。

事務作業が軽減されて経営者が本業に専念しやすくなるほか、プロの視点から課 題解決に向けたアドバイスを継続的に得ることもでき、円滑でよりよい事業運営 を目指せるでしょう。

これから会社を設立しようとしている方はもちろん、現在会社を経営していて人 事・労務関連手続きにお困りの場合は、ぜひ社労士への依頼を検討してみてくだ さい。

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